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ロボット盃
注器狼ポット
松文ピッチャー飛ぶ棚
TANATANA
王の注器兎の注器
不動の姿勢で睨み合う龍虎のごとき 内田百閒の揺るぎない形が好きだ。 裸電球の様なユーモアに照らされた、 途方も無く奥深い暗く広がる 文章空間に、 僕は靴を揃えて上がり込む。 八畳の居間では、 既に先客達が馬鍋を囲み、 貴重なビールを飲みながら 主が次回の宴は鹿鍋と告げた。 散会の記憶も無いまま 板塀に囲まれた夜中の路地を歩く。 通りへ出るまでの辛抱だ。 薄闇の角を曲がると案の定 道の真ん中で、 龍と虎が睨み合ったまま 動かないでいる。