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P1010026.jpgロボットスキャン 9.jpg静物の壷

P1010010.jpg豆皿PN080872.jpg蓋物

P1010046.jpg王の器2012ガリカDM面.jpgタンブラー

PN201073.jpg密林文注器PN201067.jpg密林文注器

PN201063.jpgオルゴールスキャン 15.jpg

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助走をつけて暖簾を跳ね上げ
飛び込んだ。
三歩目の踏み込みで壁が迫る。
勢いが余る。
間が悪ければ、不条理が好きな
食堂のおばちゃんは
振り向いてはくれない。
近場のテーブルを抱え込み、担ぎ上げ
ひたすら待つことになる。
モノツクリとは
極上の料理を場末の食堂で
『めし』の様に食うことだ。
味わうのではなく、ぶち込んでゆく。
充足させるのではなく、渇望するのだ。
品書など見る必要もない。
頼むものは
腹が減った時から決めている。
『フルコース! それも大盛りで』

贈り主の分からない宝石箱をみつける
中には哲学の翼が入っていた。
はばたきながら問いかける。
朝、
サンダルウッドの香を手にする意味。
仕事の合間にコーヒーを、
ルスカのマグで飲むことについて。
夜、仕上げた作品を棚に置く。
グレイトフル・デッドの
ダンシングベアが
デザインされた
ランプを点け、酒を飲み
やがて消して寝る。
哲学の翼は至福の中で天に昇った。
朝、箱を開ける。

舞台に上がった役者は
用意された工房で丁寧に、時間をかけて
虚構を作りあげる。
今日は漸く中世のフォルムが完成した。
言葉と姿勢、靴音の響きにも気を配り
装飾が施された巨大な扉へ向かう。
ドアノブをゆっくりと回し退場した。
仕事を終えた彼は
ささくれ立ったベニヤと
むき出しの骨組みに囲まれた
野原を歩いて帰る。
花を摘むことができたなら
明日はコミューンの食堂で
サイケなポットに入れてみる。